
うまい話には裏がある?
ソフトバンクがLINEモバイルを吸収合併し誕生した新ブランド「LINEMO(ラインモ)」。
2,728円(税込)で充実の20GBが使えるとあって、発表当初から評判は良好。しかし一方で、安い裏には何か落とし穴があるのでは?と疑心暗鬼になる方も多いことでしょう。
そこで元ソフトバンク販売員の筆者が、すこぶる評判が良いLINEMOのデメリットについて丁寧に解説していきます。
結論、デメリットを加味しても、LINEMOは加入をお勧めできる優れた料金プランです。
目次
LINEMOのメリット

デメリットの前に、まずはメリットを確認しておきましょう。
SLINEMOのメリット
- 月間のデータ容量が20GB2,728円の格安料金で使える
- 大手キャリアのソフトバンク回線が使える
- 5分かけ放題や完全かけ放題をオプションで追加可能
- LINEのクリエイタースタンプが使い放題
- eSIMが使用可能
- 容量を使い切っても1Mbpsの速度でネット接続が可能
- 先行エントリーでPayPayボーナスがもらえるキャンペーン中
複雑すぎる料金体系への反省から、20GB2,728円というシンプルな料金になっています。
また、LINEモバイルは通話料金が従量課金のみでしたが、オプションでかけ放題を追加できます。
LINEMOの見落としがちな6つのデメリット

いよいよ本題。
LINEMOはメリットばかりが取り沙汰されていますが、見落としがちな7つのデメリットがあります。
これまでのソフトバンクの料金プランに比べると、お得な料金プランであることは確かです。
ですが、だからといって何も調べずに乗り換えてしまうと不便な思いをすることになってしまいます。
1.通話は別料金
当初は5分かけ放題もコミコミになる予定だったのですが、かけ放題はオプション扱いへと変更されました(最初の1年間は550円割引)。
通話オプションを付けないと、通話するごとに従量課金で21円/30秒(=220円/5分)というかなりのお金がかかります。
オプションなしでうっかり長電話をすると、スマホ代が高額になってしまう可能性があります。
オプションに入りたくない人は、LINEアプリの「LINE通話」で代用するのも手です。
2.店舗での申し込みやサポートには非対応
LINEMOは、オンライン完結が特徴のブランドです。
ソフトバンクショップや家電量販店などのリアル店舗では、申し込んだり、サポートを受けることはできません。
そのため、自分でスマホの機種変更や初期設定ができるような、ある程度の知識を持っていることが必要不可欠といえます。
ITにめっぽう弱い人は、やや割高になりますが、店舗でのサポートが受けられるワイモバイルを検討しましょう。
3.ソフトバンクユーザーもMNP転出手続きが必要
すでにソフトバンクを使っている人は要注意。ソフトバンクユーザーであってもLINEMOに変更するためには「MNP転出手続き」を行わなければなりません。
つまり、新たな申し込みの手間がかかります。My SoftBank上で料金プランをLINEMOに切り替えるようなことはできません。
ただし、通常の乗り換えのようなMNP転出手数料(3,300円)や契約期間の縛りによる違約金は発生しません。
手間は発生しますが、費用は発生しない形になっています。
4.キャリアメールアドレスが使用不可
LINEMOではキャリアメールアドレスが用意されていません。
ソフトバンクの場合は
- 〜@softbank.ne.jp
- 〜@i.softbank.jp(iPhone限定)
などのメールアドレスが使えますが、LINEMOでは一切のメールアドレスオプションが利用できないので気をつけましょう。
Gmailなどのフリーメールに移行するなどの対策が必要になります。
5.セット割や家族割が適用不可。節約にならない人もいる
ソフトバンクでは、以下2つのセット割を適用可能です。
- 「おうち割光セット」・・・固定回線とセットで利用すると、毎月のスマホ代が最大1,100円割引
- 「みんな家族割+」・・・家族でまとめてソフトバンクを使うと、最大2,200円割引
一方、LINEMOはこれらの割引が利用できません。
そのため、家族でまとめてソフトバンクを使っている人がLINEMOに乗り換えると、逆に毎月のスマホ代が高額になってしまう可能性があります。
シミュレーション
たとえば、4人家族でまとめてソフトバンクを使っている場合の月額料金(税抜)は以下のとおりです。
ソフトバンクの現行プランを家族4人で使っている場合
利用者 | 父 | 母 | 子A | 子B |
---|---|---|---|---|
月額料金 (メリハリプラン) | 7,480円 | 7,480円 | 7,480円 | 7,480円 |
半年おトク割 | -1,000円 | -1,000円 | -1,000円 | -1,000円 |
おうち割 光セット | -1,000円 | -1,000円 | -1,000円 | -1,000円 |
みんな家族割+ | -2,000円 | -2,000円 | -2,000円 | -2,000円 |
合計金額 | 3,480円 | 3,480円 | 3,480円 | 3,480円 |
世帯合計 | 3,480円×4人=13,920円 |
※2020年4月時点の金額(税抜)です
上記と同様の場合で、家族4人のうち2人がLINEMOに変更した場合の料金(税抜)を見てみましょう。
ソフトバンクの現行プランを2人、LINEMOを2人で使う場合
利用者 | 父 | 母 | 子A | 子B |
---|---|---|---|---|
月額料金 | メリハリプラン | LINEMO | メリハリプラン | LINEMO |
7,480円 | 2,980円 | 7,480円 | 2,980円 | |
半年おトク割 | -1,000円 | 0円 | -1,000円 | 0円 |
おうち割 光セット | -1,000円 | 0円 | -1,000円 | 0円 |
みんな家族割+ | -500円 | 0円 | -500円 | 0円 |
合計金額 | 4,980円 | 2,980円 | 4,980円 | 2,980円 |
世帯合計 | 4,980円×2人+2,980円×2人=15,920円 |
※2020年4月時点の金額(税抜)です
ご覧の通り、家族4人のうち2人がLINEMOに乗り換えた場合、毎月2,000円(年間で24,000円)もスマホ代が高くなってしまいます。
LINEMOに乗り換える場合は家族全員でまとめて乗り換えるか、一世帯で見た場合の通信費が高くなることを理解した上で申し込むようにしましょう。
6.シェアプラン非対応。タブレットなどの通信費が割高になる
ソフトバンクの料金プランには、1枚のSIMカードで契約したデータプランを複数枚のSIMカードで共有して使える「シェアプラン」があります。
シェアプランの料金内訳
- 基本プラン(データ):980円
- データシェアプラス月額使用料:0円
※データシェアプラス月額使用料は、子回線の基本料が「タブレット基本料」「Wi-Fiルータープラン」「Wi-Fiルータープラン(高速)」の場合には500円となります
ですが、2020年2月時点ではLINEMOでシェアプランを使うことはできないようなので、ソフトバンクのシェアプランを使ってタブレットやWi-Fiルーターを使っている場合は単体契約に変更しなければなりません。
今までは980円程度で使えていたタブレットやWi-Fiルーターですが、親回線をLINEMOに変更することでタブレットなども通常プランと同様の月額料金が発生することになります。
結果として、タブレットなどの通信費が割高になってしまうのでご注意ください。
7.Yahoo!プレミアムが付かない
ショッピングや動画サービスの利用で様々なお得が手に入るYahoo!プレミアム。
ソフトバンクとワイモバイルではコミコミで(無料で)使えましたが、LINEMOでは無料付帯はありません。
LINEMO発表会見の質疑応答で、LINEMO側は
「サービス開始時点ではYahoo!プレミアムは用意していない。お客様の声を聞きながら、LINE/Yahooのサービスをどう取り入れるかは日々改善の中で取り組んでいく」
と回答しており、今後追加される可能性もあります。
LINEMOとワイモバイル新料金プランを徹底比較

ソフトバンクのサブブランド「ワイモバイル」からも、2021年2月18日から新料金プランがリリースされました。
LINEMOを検討する人にとっては「ワイモバイルと比べてどちらがお得?」と気になっている人も少なくないでしょう。
そこで本章では、LINEMOとワイモバイルの新料金プランの月額料金を比較してみたいと思います。
LINEMOとワイモバイルの新料金プランの比較
料金プラン | LINEMO | ワイモバイル | ||
---|---|---|---|---|
シンプルS | シンプルM | シンプルL | ||
月額料金 | 2,480円 | 1,980円 | 2,980円 | 3,780円 |
セット割の有無 | × | ○(一律1,080円割引) | ||
通話料 | 20円/30秒 | 20円/30秒 | ||
通話定額オプション | ●5分かけ放題:1500円 ●かけ放題:1,000円 | ●だれとでも定額(10分かけ放題):700円 ●スーパーだれとでも定額(24時間かけ放題):1,700円 |
||
データ容量 | 20GB | 3GB | 15GB | 25GB |
容量超過時の速度(最大) | 1Mbps | 300Kbps | 1Mbps | 1Mbps |
※2021年2月時点の情報です
どちらの料金プランも4G/5Gに対応していますが、LINEMOはプラン内容が1種類であるのに対し、ワイモバイルは全部で3つのプラン内容に分かれています。
月額料金だけを比較すると、1か月で20GBまで使えるLINEMOのほうがワイモバイルよりも割安な価格で利用できますが、セット割を考慮すると全体的にワイモバイルのほうが通信費は安くなります。
ワイモバイルのセット割は「ソフトバンク光」または「ソフトバンクエアー」との組み合わせで適用されるので、自宅でこれらのインターネット回線を使っている場合はワイモバイルを選んだほうがお得です。
ただし、LINEMOは最初から5分かけ放題がついているので、5分以内で終わる通話が多いような人にはLINEMOがおすすめです。
上記のようにスマホの使い方によってどちらの料金プランのほうがお得になるかは変わってくるので、よく吟味した上で選ぶようにしましょう。
まとめ
2021年3月からリリースされるLINEMOは、シンプルかつ低価格で、非常に優れた料金プランです。
ただし、見落としがちなデメリットも確実に存在します。
本記事でご紹介したデメリットに目を通した上で、自分の使い方にあっていると思った人だけ申し込むようにしましょう。