【体験レビュー】ソフトバンクの5Gを使ってみた!エリアは?速さは?

5Gについては

「速さは理論上、4Gの100倍」
「2時間の映画を3秒でダウンロード」

などとロマンのある説明がされる一方で、

「5Gは通信速度にムラがある」
「範囲が限定されている」

などネガティブな指摘も見かけます。

今回は5Gのリアルを検証すべく、ソフトバンク(端末はGoogle Pixel5)にて5Gを使ってみた結果をご紹介します。

高い料金を払っても5Gを使うべきか、お悩みの方の参考になれば幸いです。

ソフトバンク×Pixel 5で5Gを使ってみた【レビュー】

そもそも5Gのサービスエリアは主要都市の中のごく一部のエリアに限定されており、

なおかつ5G設備のある狭いスポットの中でしか使用できません。

今回私が選んだのは2020年11月から5Gが利用になった東京都庁です(理由は行きやすかったからです)。

アプリのダウンロードや動画のアップロードなど、様々なシチュエーションで検証しました。

5G使用条件

日時:2020年12月7日(月)12:00〜14:00くらい
場所:東京都新宿区 東京都庁第一本庁舎
デバイス:Google Pixel 5

理論値スピード

まずは専用のアプリを使って、理論上のスピードを計測してみました。

結果は下記の通りです。

【4G】
下り:26.14Mbps
上り:19.16Mbps

【5G】
下り:82.44Mbps
上り:43.93Mbps

あれ?確かに5Gは速いけど、意外と4Gと変わらない…?

理論上、5Gの最高速度は10Gbps(10,000Mbps)です。しかし都庁では、最高速度からはほど遠い「82.44Mbps」という結果でした。

他のレビュー記事を見ていても、5Gスポットの中でも、アンテナから遠いなど条件が悪いと100Mbpsを切ることも普通にあるようです。

5GでYouTube視聴

ここからは用途・シチュエーションごとに5Gの実力を見ていきます。

まずは、読み込みに時間がかかるYouTube動画の視聴から。

4G→5Gの順にYouTubeを操作しましたが、シークバーを移動させた際に表示される読み込みマークが、5Gではほとんど表示されませんでした。つまり、タイムラグなく視聴シーンを移動させることができます。

とはいえ、4Gでもかなりスピーディーに動画視聴できているので、それほど恩恵は感じないかもしれません。

5Gでアプリのインストール

続いては、ゲームなどデータ量の大きいものだとダウンロードに時間のかかる「アプリ」で試して見ました。

今回は「Pekemon GO」アプリを例に検証します。

その結果、【4G】59秒、【5G】19秒となり5Gの方が3分の1の時間でダウンロードを完了させることができました。

アプリのインストールでは、5Gの恩恵を強く感じることができました。

5GでInstagramに動画をアップ

続いて9分36秒と長尺の、1.6GBのmp4ファイルをInstagramにアップしました。

その結果、は下記の通り。なんと4Gの方が速くアップ完了しました。

【4G】4分08秒
【5G】4分25秒

5Gでテザリング→PCで重たいファイルを落とす

5Gをテザリングでも試してみました。

ビジネスではよくある、外出先で重たいファイルを落とすシーンを想定して、4Gと5Gを比較してみました。

テザリングで落とすファイルは666MBのKeynoteです。

その結果は下記の通り。3分の2の時間でダウンロードが完了しました。

【4G】2分40秒
【5G】1分46秒

劇的に速くなったとは言えませんが、ビジネスシーンにおいてはかなり有難いスピードアップです。

使ってみた感想

5Gに対して「これまでとは全く違った夢のような高速通信」というイメージを持っていましたが、

実際に使ってみると「4Gの進化形」くらいの表現が妥当な気がしています。

「環境によって通信速度にはかなりムラがある」
「障害物に弱く遠くに飛びにくい」

という5Gの特徴を強く感じた検証結果でした。

もう一つは、使用可能なエリアがかなりピンポイントです。

都庁の場合は本庁舎1階・2階のみで使用でき、一歩でも都庁の外に出ると5Gが4Gにきっちりと切り替わりました。

ソフトバンクの5Gについて

ここからは今回の検証で使用したソフトバンク回線について、情報をまとめます。

速さ、ミリ波対応

ソフトバンクの5Gでは現状、“ミリ波帯”ではなく“サブ6”という周波数帯を使用しています。

“サブ6”は技術的なハードルが低い代わりに、通信速度の拡大効果が限定的とされています。

一方の“ミリ波帯”は技術的なハードルが高い代わりに、通信速度を拡大させやすくなります。

ソフトバンクとしてはサービス展開当初は端末側で「ミリ波非対応」のものが多いことも考慮し“サブ6”でスモールスタートを切った形ですが、

2021年3月ごろにはミリ波への対応を目指して準備を進めているようです。

エリア

今のところ、大都市の駅周辺など限られた場所でしか利用できません。

しかし石川県白山市のような中規模都市でも、自治体によっては5Gが普及していることがあります。

ピンクのエリアでは5Gを使用可能↓

>>最新のエリアマップはこちら

料金プラン

現状、ソフトバンクでは様々なプランで5Gを利用することができます。

とはいえ大多数の方が選ぶであろう5Gの料金プランは下記となります。

「基本プラン(音声)」+「メリハリ無制限」

データ使い放題のメリハリ無制限でなければ5Gをガンガン使うことができないため、5Gを本格的に使いたいならメリハリプラン一択となります。

光回線セット割や家族割、半年おトク割が一切適用されないと仮定すると、料金は下記となります。

基本プラン(音声)1,078円
メリハリプラン6,160円
合計(オプション料金など除く)7,238円

※実際には各種割引特典やオプション料金による費用の増減があります。

この料金を高いと見るか、安いと見るかは人によるでしょう。

注意点

機種変更で5Gを使う場合は、5G対応のSIMカードへの切り替え手続きが必要になる場合があります。

Google Pixel 5の5Gについて

ミリ波

今回使用したPixel 5は、日本発売モデルではミリ波非対応で、サブ6のみに対応しています。

出典:Googleサポートページ

eSIM

Pixel 5は端末に内蔵され差し替えの必要がない「eSIM」を搭載しています。

eSIMのサービスを展開する通信業者はまだ少数ですが、日本ではIIJmioと楽天モバイルがサービスを提供しています。

ところがPixel 5でeSIMを使っている方は要注意。

Pixel 5で5Gを使う場合は、物理SIMカードとeSIMカードの両方を使う「デュアルSIM」が利用できません。

つまり、5G対応の物理SIMのみを使用している場合、eSIMカードのサービス利用を停止する必要があります。※逆にeSIMで5Gを利用している場合は、物理SIMのサービス利用を停止。

まとめ

5G回線の体験レビューは以上となります。

5Gに夢を見ていた方はがっかりさせてしまったかもしれません。私もがっかりしました。

しかし、まだ5Gは発展途上です。“ミリ波”への対応や、5G設備の普及が進めば、もっと5Gの力を引き出すことができるようになるでしょう。

都庁以外の場所でも5Gを使ってみて、レビューしようと思います。